🦊物語絵📕456(シノゴロク)





《幻燈祭〜はじまりの物語〜》

(アクリルガッシュ / 2019年制作)

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 むかし むかし。

この森には 神の国を追放された

12人の曲魂神(マガヒノカミ)がいました。

夜になると 暴れ出し 悪さをするので、

森の民らはとても悲しみ怯えておりました。

 

一方、天上では 月がまんまるになると 

神様たちが 集い、

宴がおこなわれています。

 

ここでは、

雨を降らせる日を決めたり、

魂をどの器に入れるか選別し 送り出したり、

争いをしている者には雷を落としたり・・・

 

この世界でおきている 

すべてを 司っていました。

 

 ※ ※ ※

 

ある 秋夜の 宴の席で、

伊都能売御霊(イヅノメノミタマ)が言いました。

 

 「森の民が泣いている。

皆のいたみを鬼火にかえて 

マガヒノカミらを懲らしめよう」 

 

※ ※ ※ 

 

地上に降りたった 天の神々たちは、

一斉に火を掲げ 

足を踏み鳴らし 森を巡ります。 

 

「悪さをする者     

    ラッタッタ ラッタッタ」

「怒り 憎しみ    

    ラッタッタ ラッタッタ」

「恐れ 苦しみ    

    ラッタッタ ラッタッタ」

「皆の炎で 焼き尽くせ」

「歌って 踊って  

    ラッタッタ ラッタッタ」

 

 

それを見ていた 森の住民たちも ワチワチ集まり、

     

声を揃えて 歌います。

 

「平和の森を 

    ラッタッタ ラッタッタ」

 

足を鳴らせて 踊ります。

 

「月夜の晩に 

    ラッタッタ ラッタッタ」

 

 

その歌声は 大きな風に、

その足音は 大きな炎となり、

合わさり一つになって、

やがて 高くそびえる 一本の光の柱になりました。

 

その光の柱が 天まで届くと

空一面に弾け飛び、

星のカケラとなって 

真っ暗な森に降り注いでいきました。

 

 

すると、12人の曲魂神は 1人また1人と 次々に、

ぱちん かちん と丸まって

あっという間に みんな 石ころに変わってしまいました。 

 

※ ※ ※

 

その日を境に この森は

【ラッタッタ森】と呼ばれるようになりました。

 

秋の最初の満月の夜には

【幻燈祭】がひらかれます。

 

 

   (おしまい)


《幻燈祭〜ツヴァイ烏の年〜》

(アクリルガッシュ/2015年制作)

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編集中

 

 


《幻燈祭〜ソメル貝の年〜01》

(CG/2014年制作)

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編集中


《幻燈祭〜ソメル貝の年〜02》

(CG/2014年制作)

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編集中


《ネコさらいのクサビ》

(水彩/2019年制作)

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緑色のネコ、オナモミ。
2人は仲良し。
出掛ける時はいつも一緒。

 

☆☆☆


昨日、垣根の下に数匹の子猫が居て、

カワイイなぁと見ていたら。

 

空から滑空してきた

羽のカラスがその中の一番小さな一匹を

神速で嘴にはさみ飛び去って行きました。

 

見上げると、晴れた空のとても高いところまで

大きな翼を羽ばたかせ。


その姿が勇敢でとても美しかったのです。

 

近くにいた初老のおじさんが
「あれは、ここらに時折やって来る

     猫攫いの楔(クサビ)だなぁ·····」
と言いました。


これらは 全部 夢の中のおはなし


《なまず遣いのカタクリ》

(透明水彩/2019年制作)

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編集中


ラッタッタ森のサソリの火

(アクリルガッシュ・キャンバス/2015年制作)

編集中


《サン・フランの森》

(透明水彩/2019年制作)

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ここは、

サン・フランのもり。

 

ふしぎなくにの、ふしぎなちから。

しんぴの ひかりで みちみちて、

たいせつなものを うみだし そだてます。

 

さんらん、ふらん。

 

すべてが はじまりのばしょ。

 


《月夜の船出》

日本画絵具/2019年制作

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編集中


《うずららさんの二者択一》

(アクリルガッシュ/2015年制作》

 

赤い糸を辿って、

森の深くまでたどり着いた うずららさん。

どうしようかな。。。
このまま、進もうかな。
それとも、引き返してお家に戻ろかな?
あたりは、もうすっかり、暗くなっちゃった。

赤い糸の先に何があるのでしょう。。。

きっと素敵な物に違いない。
きっとなんにもないのかもしれない。

出会いと分かれ。
うずららさんの二者択一。


《鷺杜》

(透明水彩/2016年制作)

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編集中


《アメフラシのタコさん》

(オイルパステル/2015年制作)

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これから急いでいく所。

タコさん、雨を降らせてた。

急げや急げ、時間だよ。

それでも気になるお魚さん。

アメフラシのタコさんこんにちは。


《月のワルツ》

(透明水彩/2016年制作)

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よるのこえを ききたくて

この ばけついっぱいの

つきのかけらを あつめにきたの

 

どこをさがしても

どこにもいない

 

まっくらやみは

からっぽで

ずっと ずっと

かるかった

 

 


《木蓮和尚と寡黙の木》

(アクリルガッシュ/2017年制作》

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木蓮和尚の日課は木魚を叩いてお経を唱える事です。
晴れの日も、雨の日も、雪の日も、風の日も、

毎日、毎日。


ポカ。ポカ。ポカ。
「モクレン、モクレン、カモクレン」
お寺の庭にある木の葉や枝も、

毎日、毎日、聞いています。

ポカ。ポカ。ポカ。
「モクレン、モクレン、カモクレン」
鳥や虫達も、毎日、毎日、聞いています。

ポカ。ポカ。ポカ。
「モクレン、モクレン、カモクレン」
木蓮和尚は歌うように唱えます。

みんな、静かに、聞いています。
毎日、毎日、聞いています。

ポカ。ポカ。ポカ。


寡黙に、木々も、ポカ。ポカ。ポカ。
木蓮和尚も、ポカ。ポカ。ポカ。
春の足音、ポカ。ポカ。ポカ。

そうして、木蓮和尚は、
ここらにやってくるのを待っているのです。


《マッチの気持ち》

(透明水彩/2016年制作)

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ぼくが、暗闇を照らす、 明かりになるよ。

 

ただし、 真っ黒焦げは、ごめんだよ。

 


《地底人》

(アクリルガッシュ/2014年制作)

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地底人は旅人を待っています

プレゼントも用意しました


いろあそび8《チョコラの夢》

(透明水彩/2016年制作)

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雨上がりの午後。
うさぎのチョコラはクローバーの丘にいます。
ぽかぽかふかふかいい気持ち。
あれあれ、
いつのまにか眠ってしまったみたい。
モンシロチョウがふわっと

ちっちゃな鼻の上にとまりました。

もぐもぐ、くすっ。

ちょうど、その時、チョコラは

青いお魚さんになった夢を見ていたのです。

りんごのウサギが、すーいぴょん。
チョコラも一緒に、すーいぴょんぴょん。

一匹のりんごのウサギが頬をかすめたその時です。
パクっ。
あっ、食べちゃった!
チョコラはりんごが大好きなのよ。

もぐもぐ、くすっ。

あーおいしい。


いろあそび7《にわににわ  にわかにわっか》

(アクリルガッシュ・馬糞紙/2016年制作)

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庭には二羽の白鳥がいます。

一匹の白鳥が言いました。
「なんだか、今日はにわか雨が降りそうだ」

もう一匹の白鳥が答えました。
「もう降ってきたようだよ。

みてごらん、あたりはすっかり、

わっかだらけだ」


いろあそび5《西風のしっぽ》

(パステル水彩/2016年制作)

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さらさん ころころ、

 

とっぴょい すとすと、

 

ごろろん わさわさ

 

はちん はちん。

遠くの方から躍るような旋律が聞こえてきました。

そんな時は、

西風が陽気にしっぽをそよそよ、

しているんだと思うよ


いろあそび6《惑星探査》

(アクリルガッシュ/2016年制作)

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惑星探査 583日目

ドーナツ星雲をくぐり抜けて、

我々はイフォヘロン星にたどり着いた。

大気は大量の水蒸気で覆われ、

地表からは赤褐色の液体が

コポコポ音を立てて沸きだし、

川のように流れている。


非常に蒸し暑い。


この星はサイフォンの様な仕組みで

活動しているらしい。

探査船を降り、

川の流れに沿って歩いていると、

1人の星人に出会った。
彼もまたコポコポとしか言わないため、

他にも仲間がいるかは不明。


「バリスタ」と呼ぶことにする。


~ヨイコラー・ショット博士の航海日誌より~


Vol.01《宇宙の藻屑》

(透明水彩/2016年制作)

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ある所に、セツゲムという名前の

一匹のナメクジがいました。
夜の森ではフクロウがホゥホゥホゥ。

と鳴いています。

お父さんもお母さんも、すやすや夢の中。
セツゲムはあまのじゃくですから、みんなと同じ事をするのが大嫌い。

むくっとベッドから起き上がると

真っ暗森に散歩に出かけました。

夜空を見上げると光る大きな線が見えます。
(人間のあいだでは、天の川って呼ばれている様です。)


セツゲムはお友達のウミウシくんに聞いた話を思い出しました。


「セツゲム、しってるかい?

うみのなかで ゆうかんにたたかったえいゆうたちは、

みんな、もくずになるんだよ。」

セツゲムはお星さまを見上げながら考えました。
「あれは、きっと、むかしのえいゆうなのかもしれない。

にんげんのくにでは、しんだら、おほしさまになるっていうもんね。

あそこには、いろいろなくにからあつまってきた、えいゆうがいるんだよ。」

セツゲムは知っています。
お空の反対側には宇宙があるって事を。

「そうだ、うちゅうのもくずだ」

Vo.2《夜の散歩》

(色鉛筆/2016年制作)

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Vol.04《紫陽花森の音楽会》

(透明水彩/2018年制作)

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ある所に、セツゲムという名前の

一匹のナメクジがいました。
夜の森は、しとしと、雨が降っています。

お父さんもお母さんも、すやすや夢の中。
セツゲムはあまのじゃくですから、みんなと同じ事をするのが大嫌い。


むくっとベッドから起き上がると

真っ暗森へ散歩に出かけました。

ぴっちぴっち、ちゃぷん。
たっぷたっぷ、ぽとん。

『ここは、ぼくだけの秘密の場所なんだ』

紫陽花森のオーケストラは、今宵も素敵な音楽を奏でています。

セツゲムは静かに ゆらゆらゆら。
紫陽花たちも一緒に ゆらゆらゆら。


Vol.05《遠飛行》

(和紙・日本画絵具/2018年制作)

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ある所に、セツゲムという名前の

一匹のナメクジがいました。

セツゲムはあまのじゃくですから、みんなと同じ事をするのが大嫌い。

ある時とつぜん、誰も知らないところへ 

ぴゆーっと行ってみたくなってしまったのです。
そのことを、お友達のウミウシくんに相談しました。

『なんだか ぼくは さいきん、ぽっかりと このせかいの うらがわあたりに いってみたくなってしまうんだ』

『ほうほう。なるほどね。にげだしてしまいたいきぶんなんだね』

『うん。そうなのかもしれないな』

『セツゲム、しってるかい?そういうきもちを、トーヒコーっていうんだよ』

『へぇー。トーヒコ。そうか。トーヒコーかぁ。。。なんだかかっこいいね。そうだ。いまからぼくは、トーヒコーだ』

ウミウシくんに 別れを告げると セツゲムは 森の中に向かいました。

ラッタッタ森では、鳥さん達がお食事の真っ只中。
セツゲムは どうやら、鳥さんの背中に乗って 飛んで行く作戦みたいですよ。

(食べられないように、気をつけて。)


Vol.6《蛍職人ムササビびゃん

(インク/2019年制作)

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編集中


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